車中泊/道の駅で連想する人間模様
道の駅で繰り広げられる、それぞれの人間模様
いささかひと昔前のネット上に残っていたニュースではあるが、その道の駅駐車場が、幼い子供の命を奪う暴行現場となったのを知ったのは、車中泊旅から自宅へと戻り数日が経過しての事。
大雑把な予定で行動するものだから、訪れた後にその場所について調べて初めて知ることも多々ある。
そんな出来事があったのを知り、ふと自分が車中泊した夜の、目にした光景を思い出していた。
旅に出て数日が過ぎ、その日は観光名所と呼ばれる場所をいくつか訪れたのもあって、思いのほか時間を取られてしまった。
停泊場所を決めていなかった事もあり、とにかく行けるところまで行き、適当な場所で最寄りの道の駅でお世話になろうとキャンピングカーのハンドルを握った。
すっかり日も沈み辺りが暗くなった中、時代遅れの明るくないヘッドライトを頼りに走る夜道。
疲れがピークに達し、午後8時少し前、ようやくこの日の停泊地へとたどり着いた。
こじんまりとした施設と、駐車可能台数もそれほど多くない道の駅。
GWの最中にも関わらず、車中泊らしき車もほんの数台確認できただけ。
とにかく早く休みたいと、ひと通り夕飯などを済ませ、ダイネットでくつろぎ始めた。
すると駐車場に1台の車が入って来たようで、間もなく外から男女の話し声が聞こえてきた。
ロールシェードをわずかばかり明け、外の様子を伺うと、エンジンを掛けたままの黒いミニバンの横で、見た感じそんなに若くない男女(失礼)が立ち話をしている。
そのミニバンの横には、この道の駅に自分が到着した時点から、無人で駐車していた車両があった。
どうやら女性の車らしい。
女性がケラケラと甲高い声で笑ったのを最後に、それぞれの車に乗り込んで道の駅を出て行った。
物事を真っ直ぐに見る事が出来なくなった中年車中泊オヤジは思った・・・「ありゃ不倫だな・・・」
家に帰らない(帰れない)人たち
それからしばらく時間が過ぎ、そろそろ眠ろうかと思った午後11時過ぎ、車のエンジン音が近づいて来たと思ったら、すぐ近くに止まってエンジンを切った。
またロールシェードをわずかばかり開け、その方向を見れば、流行りのスタイルで人気の軽自動車が駐車枠1台分を開けて駐車していた。
後部はスライドドアで、車中泊に利用されることも多いであろう車種。
内心「トイレに近い場所もまだ駐車スペースがあるのに、何でここに停めるの??」なんて思いながら、いつしか眠りに落ちて行った。
翌朝目が覚めたのは午前5時半少し前で、周囲はすっかり明るくなった様子。
前日はやはり疲れたせいもあったのか、この旅では遅めに目が覚めた。
外の様子を伺おうとロールシェードをおろしてみれば、アクリル窓から見る光景の中にその軽自動車が確認できた。
??と思ったのは、助手席に前向き固定されているチャイルドシートが見えたからだろうか。
背もたれには鮮明な赤い縁取りが入っている。
その横の運転席に座っている人影は、顔までは良く見えないものの、女性と言うのが分かった・・・。
しかしそれ以外に、車内に人影らしきものが見えない。
旦那は?チャイルドシートに座るべき子供は??まさか女性ひとり旅じゃないだろ??なんて余計な心配をしてしまう俺・・・。
そこでまた車中泊中年オヤジは目の当たりにした状況から、色々な事を連想しはじめた・・・。
「その軽自動車の女性は、小学校入学前の子供がいる主婦」
「昨夜は夫婦喧嘩か、または夫から受けるDVから逃れる為、取るものも取らず車に乗り込み、この道の駅まで逃げて来た」
「しかし置いて来てしまった子供の事が心配でならない」
「夜が明けるまで一睡も出来ず、フルフラットシートが可能な車種だけど、軽くシートを倒した状態でどうするべきかを考え続けた」
我ながら早朝の寝ぼけた頭で、良くそんな事を思い描けるもんだと少し呆れた。
推理と言うにはおこがましく、目にした状況から言わば勝手に連想したストーリー。
もしかしたら軽自動車の女性も、他県ナンバーの古臭いキャンピングカーに独り乗る中年オヤジの姿を見て、たぶん何かを思ったに違いない。
公衆トイレに行ってキャンピングカーに戻る際、軽自動車の運転席に座るその女性と目が合った。
暖気運転をしていた様子で、直後彼女は車を発進させ、道の駅駐車場を左にウィンカー表示し、まだ交通量の少ない国道へと出て行った。
その車を目で追い、「幼子が目覚める前に、家へたどり着けると良いね」と勝手に思った。
たくさんの人が往来する道の駅。
訪れる人の数だけ色んな人間模様がある。
次に訪れる道の駅では、どんな人間模様に出会うのだろう。
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